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ステンレス製品の仕上げ方は?

溶接箇所は焼けて色づく

 

金属は、溶接などで熱が加わると、焼けてその焼けたところが変色します。

 

鉄製のものは塗装仕上げがほとんどなので、その焼けたままの状態でも問題はないのですが、ステンレスの場合は台所のシンクのように、素材の素地のままで仕上がりになるものが多いと思います。

 

ステンレス製品を塗装する場合もありはしますが、基本的にそのままの状態での意匠仕上げです。

 

私は、このステンレスの焼けた虹色が良いと思うタイプなのですが、お客様にはその状態ではお届けできません。

 

そんなステンレスの仕上げは、一般的には酸で焼けた箇所を洗う酸洗いをします。

 

※酸洗とは?

 

酸洗とは、硫酸や塩酸などの強酸に、ステンレス(SUS)などの金属鋼材を漬け込むことで、表面に付着している酸化被膜や錆などを洗浄・除去する化学洗浄処理方法のことです。

 

金属は熱を加えると焼けて酸化する

 

酸洗い

 

一口にステンレスと言っても種類も様々です。

 

混ぜ合わせる金属の種類や量により特徴が変わり、細かく分けると実に200種類は超えるステンレスが存在します。

 

一般的なステンレスと言えば、私が良く扱うオーステナイト系のSUS304と、フェライト系のSUS430です。

 

それ以外にも、マルテンサイト系のSUS410もありますが、私の記憶の中では、前記の2種類しか扱ったことはありません。

 

酸洗材も系統によって分けられていて、私扱うのはオーステナイト系専用のラスノンウエルです。

 

ラスノンウエルを水で薄めたものを使います

 

酸洗をすると?

 

酸洗をすると、溶接によって酸化した焼けが取れるのですが、その酸洗材によって他の部分も表面が影響を受けます。

 

よって酸洗をすると、はじめはクロームメッキの様なステンレス特有の表面の質感も変わってしまうのです。

 

溶接した箇所だけ焼けが取れたら良いのですが、溶接箇所も5mm程度とピンポイントで焼けを取るのは簡単ではありません。

 

その溶接箇所に酸洗材を浸して後はブラシで擦ると焼けが取れるのですが、どうしても他にも酸洗材が付いてしまいます。

 

気持ちいくらいにキレイに焼けも取れるのですが、表面が全体的にアルミのような白っぽい質感になってしまいます。

 

酸洗前と酸洗後は一目瞭然

 

研磨して元の質感に

 

酸洗材が付いたところは白くなってしまうので、その後に磨きが必要になります。

 

この磨きも、研磨専門にやっている会社があるくらい専門的な分野です。

 

私自身もこの辺りに関しては、未知の領域です。

 

それでもいろんな人からのアドバイスなどで、最近自分でも軽く研磨する様になりました。

 

焚き火台などの火を扱う道具は、言ってしまえば結局火入れをすれば煤がつくし、焚き火の熱で焼けて変色します。

 

ですが、お客様の手元に届いた時の状態は、見た目もキレイなものでなければ商品として不完全です。

 

当たり前ですが、磨いてステンレスのピカピカした質感が戻れば、商品としての価値も上がると考えています。

 

それが当たり前と言えば当たり前ではあるのですが、、、

 

まだまだ金属加工の世界は奥が深く、手探りで日々試行錯誤しながらやってある状況です。

 

ですが、最近は、道具も少しずつ充実してきて私自身の知恵も付き、私が思い描く商品の仕上がりに近づいて来ている手応えは感じています。

 

ですが、まだまだよりハイクオリティの製品作りを追求して行こうと思います。

 

右側が酸洗後で左が研磨後

 

ステンレスのハイクオリティな仕上がりはこうでなくてはと思います

 

 

 

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